
▼解決を目指す「社会課題」
芦野 ことこさん
国際経済学科 3年生(宮城県 仙台育英学園高等学校 出身)
国際経済プログラムのなかでも特に中国経済に興味があり、急成長を遂げた中国の経済構造や現代の課題について学んでいます。データを活用して日本やアジア諸国との比較分析を行い、経済成長の減速や都市部と地方の格差拡大といった課題解決に向けた考察を深めています。
特に注目したのは、一人っ子政策による少子化や財政赤字の拡大という問題です。これらの課題に対して、都市と農村の教育機会の格差是正や社会保障の充実など、具体的な解決策を検討しています。一国のデータだけでなく、関連するさまざまな情報を収集・分析することで、より高度な考察ができるようになりました。また、中国の抱える問題が日本の教育格差など、アジア共通の課題とも結びついていることに気づき、より広い視野で問題をとらえられるになったと実感しています。相対的貧困率や低所得者層の問題など、日本社会にも通じる課題への理解も深まりました。
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大原 盛樹教授
国際経済学科
[専門分野]中国経済論、アジア産業発展論
国際経済プログラムでは、激しく変容する世界経済への理解を深め、対応方法を探ります。私が担当する中国経済論の授業では、中国という国を多角的に学びます。
経済データの分析を基礎とし、政治、社会、歴史的背景を加えた総合的な視点から、中国経済の特質と変化を探求します。国際経済における中国の位置づけは、単純な成長物語ではなく、複雑な相互作用の結果です。経済成長、産業発展、国民の社会的厚生、国家形成や技術革新への対応など、多層的な側面から分析する必要があります。特に重要なのは、外国や国際的な経済枠組みが中国に与えた影響と、逆に中国がグローバル経済に与えてきた変革に対する理解です。「他者理解」のスキルを磨き、一つの国について多面的に学ぶことで、外国理解のおもしろさを実感するはずです。他国に関心をもち、その国の論理や価値観の違いを相対的に理解することで、世界に向き合う力を高めていきましょう。
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▼解決を目指す「社会課題」
樋口 もえさん
国際経済学科 3年生(京都府立久御山高等学校 出身)
開発経済プログラムでは、経済学的な視点から途上国の貧困や開発課題について学びます。従来のGDPやGNIといった経済指標だけでは測りきれない国の豊かさや人々の幸福度などを測り、国が抱える経済問題を学びながら途上国への理解を深めていきます。
授業では映像や資料、指標を活用して発展途上国の人々の行動を経済学的に分析し、パソコンでのグラフ作成やレポート作成などの実践スキルも身につけていきます。特に印象的だったのは、途上国におけるBOPビジネスの成功事例を学んだことです。日本ポリグルの水質浄化剤の事例では、単なる慈善事業ではなく継続的なビジネスとして社会課題を解決する重要性を実感し、ビジネスを通じて途上国の人々を支援できることに感銘を受けました。身近なものからひらめくアイデアが、課題解決のヒントになるかもしれません。将来は、途上国の人々の自立的な発展を事業に挑戦したいと考えています。
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上山 美香教授
国際経済学科
[専門分野]開発経済学、ジェンダーと開発
開発途上国が直面する貧困問題や地域格差など、社会課題について経済学的な視点から分析し、経済発展の道筋を考えます。現代社会において「開発」の概念は、単なる経済発展から人々の幸福という、より広く深い視点へと進化してきました。
伝統的に議論してきた経済発展や工業化のプロセスに加え、ジェンダー問題、気候変動、感染症など新しい開発課題に関する理解も必要とされています。特に重視すべきは、途上国が抱えている社会課題を「自分事」としてとらえる視点です。現代の世界経済は多様な形でつながっており、一見遠い世界の出来事に見える途上国の問題も、実は私たち日本人の生活と強く結びついているのです。開発経済学は政策志向の学問であり、研究成果は途上国政府や国際機関の政策にも直結します。グローバル化がすすむこの時代において、世界の課題に立ち向かう洞察力と行動力を備えた人材を育成したいと考えています。
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▼解決を目指す「社会課題」
島田 創志さん
国際経済学科 2年生
(大阪府立高槻北高等学校 出身)
グローバル経済史の授業は、これまで当たり前だと思っていた歴史観を根本から見直す機会となりました。授業では、従来のヨーロッパ中心の歴史解釈に疑問をもち、アジア圏の経済的功績を再評価する学びを通じて、世界経済の複雑な歴史的メカニズムを理解していきます。
東インド会社や世界商品の歴史を分析し与えられた一次情報をもとに自分の頭で考えるなかで、批判的思考力が養われました。自分自身で最も成長を感じるのは、情報の正確な見極め方です。生成AIに頼るのではなく、自ら考え、情報を主体的に活用するスキルが身につきました。一次情報をベースに自分の考えを組み立て、二次情報で補完するアプローチは、知識の習得を超えた真の学びの姿勢だと実感しています。日々の学びのなかで歴史的な視点から現代社会の課題を解き明かす力を磨き続け、将来は、より公平で持続可能な経済システムの構築に貢献したいと考えています。
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大久保 翔平講師
国際経済学科
[専門分野]グローバル経済史、オランダ東インド会社史
グローバル経済の歴史的な形成過程を題材に、現代社会が直面する諸課題について考察を深めます。世界初の株式会社である「東インド会社」の活動や、銀・砂糖・コーヒーといった世界商品の生産・流通・消費を手がかりとし、グローバル経済の特徴を浮かび上がらせていきます。
また、近世から現代に至るグローバル経済の展開を貿易・開発・交通・通信・情報といった観点から紐解き、現代の諸課題との結びつきについて議論します。講義では参加型の学びを重視し、リアルタイムアンケートシステムを活用した問いかけや映像視聴、グループプレゼンテーションやディスカッションを展開します。異なる時代・地域の価値観を学ぶことで、グローバル化がもたらす恩恵と課題を多角的に分析し、持続可能な経済のあり方を模索します。歴史的視点から現代経済を読み解く力を養い、グローバルマインドをもった人材に成長してほしいと期待しています。
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▼解決を目指す「社会課題」
橋口 堅さん
国際経済学科 4年生
(宮城県 東北高等学校 出身)
授業では、世の中のさまざまな問題を「ゲーム理論」を用いて理論的に分析します。共犯を犯した二人の囚人が、重い刑期から免れようと自白と黙秘の間でせめぎ合う「囚人のジレンマ」は、ゲーム理論の代表的なモデルです。
この理論を現実の社会課題に応用すれば、思わぬ環境問題の糸口を見出せるのではないでしょうか。例えば地球温暖化は、環境の保全よりも自国の経済発展を優先するために、温室効果ガスを大量排出する国によって引き起こされているとします。これにゲーム理論を当てはめれば、経済発展と環境保護の両立が可能になり、温室効果ガスを排出しない方法で経済発展できる制度・体制の整備が有効な解決策と考えられます。この講義をとおして、ゲーム理論に基づいたアプローチは、現代社会の課題解決に有効な手法だと感じました。物事の見識や本質をとらえる姿勢、合理的な思考力も身についたと思います。
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若山 琢磨教授
現代経済学科
[専門分野]メカニズムデザイン
ゲーム理論とは、世の中にある「駆け引き」を分析するための道具です。最近では、腎臓移植における患者とドナーのマッチングや、難民の再定住先の決定といった、経済とは一見無縁に思える社会問題の解決にも活用されています。
私の授業では、四則演算を中心にゲーム理論の基本的な考え方を紹介しているため、数学が苦手な学生でも安心して学べます。また、「なぜ鴨川沿いでカップルが等間隔で座るのか」「なぜ家電量販店は最低価格保証を行うのか」といった日常の素朴な疑問をもとに、ゲーム理論の視点で考えるおもしろさを実感できるよう工夫しています。さらに、内容の理解を深めるために、トランプを使った教室実験など体験的な学びも取り入れています。この講義を通じて、ゲーム理論を分析・考察の道具として使いこなし、さまざまな社会の課題について論理的に考え、自分なりの意見が持てるようになってほしいと考えています。
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會田 智昭さん
国際経済学科 3年生(大阪府立長尾高等学校 出身)
日本経済の停滞について学ぶなかで新興国の発展に強い関心をもち、現地調査を通じて、日本のODAが開発途上国にもたらす影響を研究しています。インドとベトナムでのフィールドワークでは、ODAによって建設された施設を視察し、現地企業や学生との交流から経済支援の意義を実感しました。ことばの壁を乗り越えながら、異文化コミュニケーションの力も磨きました。座学では得られない生の声に触れ、経済を多角的に分析する視野が養われました。研究で得た知見を活かし、日本と新興国の経済発展に貢献したいと考えています。